まだ今の仕事で食っていけないときに、クラスメイトだった駅員のけんちゃんとムーミンパパみたいな奴と一緒によく夜ドライブに行った。
運転はムーミンパパで、けんちゃんが助手席、私はいつも後ろの席。
パパはいつもうっぷんがたまってて、けんちゃんと私はいつも引きずられるようにして、パパに付いていく。
けんちゃんも私もよく寝ちゃってたり、パパがトイレ休憩のときに、この後どこ行くんだろうね・・早く帰れるようになんとかしよう、とごにょごにょやってるんだけど、なんだかんだパパに付き合うのが日課だった。
けんちゃんは駅員でそのころは安月給で、パパは土日ディズニーランドで働いていた。
けんちゃんにもパパにもそれぞれ好きな人がいて、私にはいなかった。それがとても気楽だった。
パパは、私に「だから、あなたって人は・・・」と言うのが日課だった。
「紐のない風船は、とんでっちゃいますよ」って、ぷんぷんしてた。
「私とけんちゃんは風船をつかまえてあげてるんです」と、最後には女みたいにむくれてた。
パパがよく好きで行った丘には桜並木があって、「春はここものすごいんだよ」と、いつも私たちにしみじみ話した。けんちゃんも私も「ふーん」と言っていた。
一度も春に行ったことはなかったけど。
私が誰も来ないようなはじめての展示会をしたときに、パパは背広で、けんちゃんはいつもの格好で来てくれた。祝儀袋には「5000円」入ってた。
それからまもなくして、けんちゃんは彼女ができて夜のドライブにはいかなくなった。パパと私は喧嘩をしてしまった。
時々、一人でその丘に行きたくなった。
それもやっぱり、春ではないときに。
並木道の咲いてない桜の木をみて、けんちゃんの眠い顔と、パパのしみじみを思い出す。
最高の友達だったのにな、私たち。
運転はムーミンパパで、けんちゃんが助手席、私はいつも後ろの席。
パパはいつもうっぷんがたまってて、けんちゃんと私はいつも引きずられるようにして、パパに付いていく。
けんちゃんも私もよく寝ちゃってたり、パパがトイレ休憩のときに、この後どこ行くんだろうね・・早く帰れるようになんとかしよう、とごにょごにょやってるんだけど、なんだかんだパパに付き合うのが日課だった。
けんちゃんは駅員でそのころは安月給で、パパは土日ディズニーランドで働いていた。
けんちゃんにもパパにもそれぞれ好きな人がいて、私にはいなかった。それがとても気楽だった。
パパは、私に「だから、あなたって人は・・・」と言うのが日課だった。
「紐のない風船は、とんでっちゃいますよ」って、ぷんぷんしてた。
「私とけんちゃんは風船をつかまえてあげてるんです」と、最後には女みたいにむくれてた。
パパがよく好きで行った丘には桜並木があって、「春はここものすごいんだよ」と、いつも私たちにしみじみ話した。けんちゃんも私も「ふーん」と言っていた。
一度も春に行ったことはなかったけど。
私が誰も来ないようなはじめての展示会をしたときに、パパは背広で、けんちゃんはいつもの格好で来てくれた。祝儀袋には「5000円」入ってた。
それからまもなくして、けんちゃんは彼女ができて夜のドライブにはいかなくなった。パパと私は喧嘩をしてしまった。
時々、一人でその丘に行きたくなった。
それもやっぱり、春ではないときに。
並木道の咲いてない桜の木をみて、けんちゃんの眠い顔と、パパのしみじみを思い出す。
最高の友達だったのにな、私たち。















